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公開日:2023年1月20日
最終更新日:2026年9月1日

執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

SNSマーケティング会社は「知名度」ではなく「支援範囲」で選ぶ。支援範囲は運用代行型・戦略設計型・内製化支援型の3タイプに分かれ、費用相場は月額20万〜100万円程度と幅があります。

自社に必要なのがどのタイプかを見極めないまま依頼すると、投稿数は増えても問い合わせが増えないという結果になりがちです。本記事では主要11社を支援タイプ別に比較したうえで、外注と内製化どちらを選ぶべきかの判断基準までを整理します。

📖 この記事でわかること
  • SNSマーケティング会社の3つの支援タイプと費用相場(2026年最新)
  • 日本国内の代表的なSNSマーケティング企業11社の比較
  • 市場1兆2,038億円の内訳と、運用支援が3.7%にとどまる理由
  • 上場企業と中小規模の専門会社、どちらに依頼すべきかの違い
  • 外注して失敗する3つの理由と、内製化に切り替える判断基準

SNSマーケティング会社とは、企業のSNS運用を戦略設計から投稿制作・分析改善まで支援する専門企業です。支援の範囲は会社によって大きく異なり、運用代行型・戦略設計型・内製化支援型の3タイプに分かれます。

この記事では、国内の主要なSNSマーケティング企業11社を支援タイプ別に比較し、費用相場と選び方の基準を整理します。あわせて、そもそも外注すべきか内製化すべきかという判断についてもお伝えします。

1. 結論:SNSマーケティング会社は「支援範囲」で選ぶ

ひとくちにSNSマーケティング会社といっても、支援の範囲は会社によって大きく異なります。会社選びで最初に見るべきは、知名度でも実績数でもなく「どこからどこまでをやってくれるのか」です。

1-1. 3つの支援タイプと費用相場【2026年】

タイプ 支援内容 費用相場(月額) 向いている企業
運用代行型 投稿制作・アカウント運用を一括で代行 20万〜50万円 社内に運用人員を割けない
戦略設計型 戦略立案・KPI設計・分析改善が中心 30万〜80万円 発信の方向性が定まっていない
内製化支援型 社内担当者の育成・運用の仕組みづくり 研修20万円〜/案件単位 ノウハウを社内に残したい

上記は一般的な相場帯であり、対応するSNSの数・投稿本数・撮影の有無によって変動します。見積もりを比較するときは金額そのものより、同じ範囲の仕事を比べているかどうかを確認してください。

1-2. この記事の立場について

先にお伝えしておきます。この記事を書いている株式会社PR NETも、SNSマーケティングを支援する会社の1社です。そのうえで、以下の方針で書いています。

  • 11社の紹介にPR NETは含めていません(自社を並べて上位に置くことはしません)
  • 各社の情報は公式サイトで確認したものだけを掲載しています
  • 記事の後半では「そもそも外注すべきか」という、依頼を前提としない問いも扱います

当事者が書いた比較記事であることを踏まえたうえで、判断材料としてお使いください。掲載各社との間に金銭的な関係はなく、順位付けもしていません(理由は第5章で説明します)。

2. SNSマーケティングが注目される理由

SNSマーケティングとは、Instagram(インスタグラム)・X(旧Twitter)・TikTokなどのSNSを通じて商品やサービスを届けるマーケティング活動を指します。注目される背景には、SNSの普及率の高さと、広告費をかけずに始められるという2つの要因があります。

2-1. SNSの普及率が高い

SNS(Social Networking Service)は、インターネットを通じてユーザー同士が交流できる会員制のWebサービスです。誰でも無料で気軽に始められる点が最大の特徴で、スマートフォンの普及とともにユーザー数が拡大し続けています。

2-2. 市場規模は2兆円へ拡大する見通し

サイバー・バズとデジタルインファクトの共同調査によると、2024年の国内ソーシャルメディアマーケティング市場規模は1兆2,038億円(前年比113%)。2029年には2024年比約1.8倍、2兆1,313億円に達すると予測されています。

2024年の市場規模:1兆2,038億円(前年比113%)

2029年の予測:2兆1,313億円(2024年比約1.8倍)

出典:サイバー・バズ/デジタルインファクト「2024年 国内ソーシャルメディアマーケティングの市場動向調査」(2024年11月公表

2-3. 拡大しているのは「広告費」であり「運用支援」ではない

見落とされがちなのが、この1兆2,038億円の内訳です。同じ調査のカテゴリ別の数字を並べると、市場の姿がはっきり変わります。

カテゴリ 市場規模 前年比 構成比
ソーシャルメディア広告 1兆727億円 113% 89.1%
インフルエンサーマーケティング 860億円 116% 7.1%
SNSアカウント運用支援/キャンペーンプランニング・コンサルティング/分析ツール 451億円 110% 3.7%

市場の89.1%は広告出稿費です。企業のSNS運用そのものを支援する領域は、コンサルティングと分析ツールを合わせても451億円、全体の3.7%にすぎません。

同調査は2029年の予測として、市場全体が2兆1,313億円、うち広告が1兆8,978億円(2024年比約1.8倍)、運用支援・コンサル・ツールの合計が690億円(同約1.5倍)としています。伸び率でも、広告のほうが運用支援より大きい。

つまり「SNSマーケティング市場が2兆円へ」という見出しの中身は、大半が広告費の話です。自社でアカウントを育てたい企業にとって、この数字はそのままの追い風ではありません。

2-4. 広告費をかけずに始められる

従来のマーケティングでは広告掲載に多額の費用が必要でした。SNSマーケティングは無料のツールを活用するため、広告費をかけずに活動を始められます。

ただし、ノウハウがなければ成果は期待できません。「無料で始められる」ことと「無料で成果が出る」ことは別の話です。ここに専門会社を活用する価値があります。

3. 主要SNSの特徴と活用事例

SNSマーケティングを成功させるには、媒体ごとの機能とユーザー層を把握することが出発点になります。以下は総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和8年6月公表・13歳〜79歳1,800人・調査期間2025年12月)による利用率です。

サービス名 サービス内容 全年代の利用率 最も高い年代
Instagram 画像や動画をシェアする 54.8% 20代 82.6%
X(旧Twitter) 短文の投稿をシェアする 44.7% 20代 73.4%
TikTok ショート動画をシェアする 36.7% 10代 67.9%
Facebook 実名登録制のSNS 27.0% 40代 38.9%

性別による差も無視できません。Instagramは男性46.2%に対して女性63.4%と、女性の利用率が上回ります。各メディアの分類や特徴は ソーシャルメディアの特徴とは? で詳しく解説しています。

3-1. 活用事例:NTTドコモ

株式会社NTTドコモは、それまで一方通行だった情報発信をユーザーとの相互コミュニケーションの場へと転換することで注目度を高めました。

専門会社と連携し「この投稿は一方通行になる」「この表現ならコミュニケーションが生まれる」といった助言を運用に反映。結果として1年間でフォロワー20万人増、リポスト数は約7倍という成果を達成しています。

参考:X(旧Twitter)Business 公式事例

4. SNSマーケティング企業と広告代理店の違い

4-1. 前提が違う:届けるか、育てるか

総合広告代理店がマス媒体を含む広告全体を扱うのに対し、SNSマーケティング企業はSNSという媒体に特化しています。この違いは「広告費をかけて届ける」か「広告費をかけずに育てる」かという前提の差として現れます。

  • 広告代理店:予算配分と媒体選定が中心。出稿を止めると露出も止まる
  • SNSマーケティング企業:アカウントそのものを資産として育てる。継続的な運用が前提

4-2. 上場企業と中小規模の専門会社の違い

比較項目 上場企業・大手 中小規模の専門会社
体制 分業制で安定。担当交代にも耐える 少人数。責任者が直接関わることが多い
得意な規模 大規模キャンペーン・全国展開 特定業界・地域・ターゲットへの深い対応
意思決定 確認工程が多く、変更に時間がかかる 小回りが利き、改善サイクルが速い
経営情報 決算が公開され、安定性を確認できる 公開情報が限られ、面談で見極める
費用 高めに設定されることが多い 支援範囲に応じて柔軟

この記事で紹介する11社を実際に分けると、上場企業が5社、非上場が6社です。

  • 上場:メンバーズ(東証プライム2130)/アディッシュ(東証グロース7093)/ホットリンク(東証グロース3680)/ソーシャルワイヤー(東証グロース3929)/ガイアックス(名証ネクスト3775)
  • 非上場:PLAN-B/Tenmu/BEASTAR/グローバルリンクジャパン/テテマーチ/SAKIYOMI

上場企業は決算情報が公開されているため、経営の安定性を自分で確認できるという利点があります。長期契約を前提とする場合、この確認ができるかどうかは実務上の差になります。

一方、非上場の専門会社は特定領域への集中度が高い傾向があります。たとえばSAKIYOMIはInstagram支援に事業を一本化しており、Tenmuはクリエイティブと分析に絞っています。扱う範囲が狭いことは、その領域での深さと表裏一体です。

5. SNSマーケティング会社ランキング11選【2026年最新】

5-0. 選定の基準とこの章の見方

先に断っておきます。この11社に順位は付けていません。

SNSマーケティング会社の優劣は、依頼する企業の課題によって逆転します。Instagram1本で認知を取りたい企業と、炎上リスクの管理を最優先する企業とでは、最適な相手が違います。順位を付けると、この前提が消えてしまいます。

そのため本章では、第1章で示した3つの支援タイプ別に整理し、各社について次の4点を掲載しています。

  • 支援タイプ:運用代行型/戦略設計型/内製化支援型のどれに近いか
  • 上場区分:上場している場合は市場と証券コード
  • 特徴と向いている企業:どんな課題を持つ企業に合うか
  • 公式サイト:詳細は各社の一次情報で確認できるように

住所・設立年月日・代表者名は掲載していません。これらは会社選びの判断にほとんど影響しない一方、移転や交代で頻繁に変わり、記事の情報が古くなる原因になるためです。必要な場合は各社の公式サイトでご確認ください。各社の情報は2026年9月時点で公式サイトを確認したものです。

5-1. 株式会社PLAN-B

支援タイプ:運用代行型+戦略設計型 / 上場区分:非上場

デジタルマーケティング全般を手がけ、SNS領域ではキャスティング・運用・ツール提供までを扱います。SNSマーケティングツール「Cast Me!」を自社で提供しているのが特徴です。東京と大阪の二本社制で、関西圏の企業も相談しやすい体制があります。

SNS単体ではなく、SEOや広告を含むデジタル施策全体をまとめて相談したい企業に向いています。(公式サイト

5-2. ソーシャルワイヤー株式会社

支援タイプ:戦略設計型(デジタルPR) / 上場区分:東京証券取引所グロース市場(証券コード3929)

デジタルPRを主軸に、プレスリリース配信「@Press」、インフルエンサーマーケティング「Find Model」などのサービスを展開しています。あわせてメディアリスニング(クリッピング・リスク検知)のサービスも持ち、発信と観測の両方を1社で扱えるのが特徴です。

SNS単体ではなく、広報・PR全体の中にSNSを位置づけたい企業に向いています。(公式サイト

5-3. 株式会社ガイアックス

支援タイプ:運用代行型+戦略設計型 / 上場区分:名古屋証券取引所ネクスト市場(証券コード3775)

1999年設立。ソーシャルメディア領域・シェアリングエコノミー領域・web3/DAO領域を柱とし、SNS支援は「ソーシャルメディアラボ」のブランドで提供しています。業歴の長さから蓄積された知見が強みです。

新しい技術領域も含めて相談したい企業、長期的な知見の蓄積を重視する企業に向いています。(公式サイト

5-4. 株式会社Tenmu

支援タイプ:運用代行型(クリエイティブ特化) / 上場区分:非上場

「クリエイティブと分析」に特化し、X(旧Twitter)やInstagramを活用したマーケティングを支援します。少数精鋭の体制で、制作物の質を重視する企業に向いています。

投稿の見た目や表現でブランドを差別化したい場合の選択肢になります。(公式サイト

5-5. BEASTAR株式会社

支援タイプ:運用代行型(マルチSNS対応) / 上場区分:非上場

Instagram・X・TikTokの運用代行を中心に、Web広告運用、サイト制作、デザイン制作までを扱います。大阪を拠点としています。複数のSNSを同時に立ち上げたい企業や、SNSとWebサイトをまとめて整備したい企業に向いています。

公式サイト

5-6. 株式会社メンバーズ

支援タイプ:戦略設計型(大規模案件向け) / 上場区分:東京証券取引所プライム市場(証券コード2130)

1995年設立の大手デジタルマーケティング企業です。現在は「デジタル人材の伴走によるDX現場支援」を事業の軸に据えており、人材を常駐・伴走させる形での支援を得意とします。

全社的なデジタル変革の一部としてSNSを扱いたい大企業に向いています。中小企業が単発でSNS運用だけを依頼する規模感とは異なります。(公式サイト

5-7. 株式会社グローバルリンクジャパン

支援タイプ:運用代行型+戦略設計型 / 上場区分:非上場

SNS運用支援、ライブ配信・ハイブリッド配信支援(ウェビナー対応)に加え、AIO(AI最適化)を事業の柱の1つに掲げているのが特徴です。生成AIの普及で検索行動が変わるなか、この領域を明示している会社はまだ多くありません。

SNSとウェビナーを組み合わせたBtoBの集客を考えている企業、AI検索対策も含めて相談したい企業に向いています。(公式サイト

5-8. アディッシュ株式会社

支援タイプ:運用代行型(監視・カスタマーサポート) / 上場区分:東京証券取引所グロース市場(証券コード7093)

カスタマーサクセス事業とモニタリングサービス事業が柱です。サイトの健全化・風評被害対策、炎上や誹謗中傷への対策、ネットリテラシー講演までを扱います。

炎上リスクの管理を最優先する企業、ユーザー投稿を扱うサービスを運営している企業に向いています。攻めより守りに強い会社です。(公式サイト

5-9. テテマーチ株式会社

支援タイプ:戦略設計型+運用代行型 / 上場区分:非上場

SNSマーケティング支援を主軸に、プロダクト開発、プロモーション支援、ブランドプロデュースまでを展開しています。東京と大阪に拠点があります。

SNSを起点にブランドそのものを設計し直したい企業に向いています。単発のキャンペーンより、中長期のブランド構築を志向する場合の選択肢です。(公式サイト

5-10. 株式会社ホットリンク

支援タイプ:戦略設計型(データ分析) / 上場区分:東京証券取引所グロース市場(証券コード3680)

SNSコンサルティング、運用代行、運用型広告、インフルエンサーマーケティング、投稿キャンペーンまでを扱い、SaaS「hashpick」も提供しています。ソーシャルデータの分析基盤を自社で持っているのが最大の特徴です。

施策の効果を定量的に検証したい企業、社内への報告に数値の裏付けが必要な企業に向いています。(公式サイト

5-11. 株式会社SAKIYOMI(旧・株式会社Radix)

支援タイプ:運用代行型(Instagram特化) / 上場区分:非上場(親会社の株式会社エフ・コードが東証グロース9211)

Instagram支援に事業を一本化した会社です。2021年7月に株式会社Radixから現社名へ変更し、2023年4月の新設分割を経て現在の法人になっています。SNS運用支援に加えて、人材マッチングと教育・スクール事業も手がけているのが特徴です。

Instagram1本に絞って成果を取りにいきたい企業に向いています。運用代行だけでなく、社内担当者の育成も視野に入れられる点は、内製化を考えている企業にとって選択肢になります。(公式サイト

5-12. 11社の一覧比較表

会社名 支援タイプ 上場区分 特に強い領域
PLAN-B 運用代行+戦略設計 非上場 デジタル施策全体の統合
ソーシャルワイヤー 戦略設計 東証グロース3929 デジタルPR・メディアリスニング
ガイアックス 運用代行+戦略設計 名証ネクスト3775 業歴に基づく知見・新技術領域
Tenmu 運用代行 非上場 クリエイティブ制作
BEASTAR 運用代行 非上場 複数SNSの同時立ち上げ
メンバーズ 戦略設計 東証プライム2130 大企業のDX現場支援
グローバルリンクジャパン 運用代行+戦略設計 非上場 ウェビナー・AIO(AI最適化)
アディッシュ 運用代行 東証グロース7093 炎上・風評リスク管理
テテマーチ 戦略設計+運用代行 非上場 ブランドプロデュース
ホットリンク 戦略設計 東証グロース3680 ソーシャルデータ分析
SAKIYOMI 運用代行 非上場(親会社が東証グロース9211) Instagram特化・人材育成

内製化支援型に該当する会社が11社中にない点は、あえてそのまま示しています。市場データが示すとおり、この領域はまだ市場全体の3.7%であり、専業として掲げる会社が少ないのが実情です。

6. SNSマーケティング会社の選び方5つの基準

  1. 基準1:支援範囲が投稿代行だけで終わっていないか。戦略設計と導線設計が含まれているかを確認する
  2. 基準2:費用が成果に対して妥当か。何をもって成果とするかを契約前に合意しておく
  3. 基準3:自社の業界・顧客層での実績があるか。BtoBとBtoCでは勝ち筋が異なる
  4. 基準4:社内にノウハウが残る設計になっているか。契約終了後に何が残るかを聞く
  5. 基準5:AI活用に対応しているか。ツールを使えるかではなく、どの工程に組み込むかを説明できるか

とくに基準5は2026年に入って差が開いた項目です。生成AIを使っているかどうかではなく、戦略設計・投稿制作・分析改善のどの工程にAIを組み込み、どこは人が担うのかを言語化できているかで実力が分かれます。前掲の11社でいえば、AIO(AI最適化)を事業の柱として明示している会社はまだ1社だけでした。

7. よくある失敗:外注したのに成果が出ない3つの理由

7-1. 投稿代行だけを依頼し、戦略が空白のまま

最も多い失敗です。投稿数は増え、フォロワーも少しずつ伸びる。けれど問い合わせは増えない。SNSの成果は投稿数ではなく導線設計で決まります。誰に何を届け、どこへ動いてもらうのかが決まっていなければ、投稿は増えるほど散漫になります。

7-2. 社内にノウハウが一切残らない

契約終了と同時にアカウントが止まってしまうケースです。数年分の外注費を払いながら、社内には「SNSは外注するもの」という認識だけが残る。支払った費用が資産に変わらない典型例といえます。

7-3. 担当者の異動でリセットされる

属人化を防ぐ仕組みがないまま担当者が代わると、蓄積が引き継がれず振り出しに戻ります。運用マニュアルと判断基準が文書化されているかどうかが分かれ目です。

8. 外注と内製化、どちらを選ぶべきか

会社選びの前に、そもそも外注すべきかを一度考える価値があります。自社の商品と顧客を最もよく知っているのは、社内の人間です。この事実をどう活かすかで選択が変わります。

8-1. 外注が向いているケース

  • 短期間で立ち上げ、早く形にしたい
  • 社内に人員を割く余裕がない
  • 撮影・デザインなど専門的な制作力が必要

8-2. 内製化が向いているケース

  • 長期的にSNSを自社の資産として育てたい
  • 広告費に依存しない集客の仕組みをつくりたい
  • 現場の熱量や人柄が、そのまま強みになる事業である

8-3. 併用という選択肢

現実的には、立ち上げ期を外注で走らせながら、並行して社内担当者を育てる併用型が最も成果につながりやすい進め方です。半年から1年をかけて運用を社内へ移していくと、外注費を抑えながらノウハウを残せます。

株式会社PR NETでは、延べ15,000名以上への研修実績をもとにSNS運用の内製化を支援しています。ダイハツ工業では2週間で32講演・1,600名にSNS研修を実施しました。TOKYO創業ステーション(丸の内)での登壇では、2022年12月に653名のお申し込みで当時の歴代1位を記録し、翌年の『Instagram×ChatGPT集客術』では申込者数1,056名と自身の記録をさらに更新しています。

9. よくある質問(FAQ)

Q
SNSマーケティング会社の費用相場はいくらですか?
A
運用代行型で月額20万〜50万円、戦略設計型で30万〜80万円が目安です。内製化支援型は研修単位・プロジェクト単位の契約が中心となります。対応SNSの数や投稿本数によって変動するため、同じ支援範囲で比較することが重要です。
Q
SNSマーケティング企業を比較するときは、何を見ればよいですか?
A
支援タイプ(運用代行/戦略設計/内製化支援)、上場の有無、得意領域の3点です。金額は支援範囲によって変わるため、単純な比較には向きません。まず自社の課題がどのタイプに当てはまるかを決め、そのタイプの会社だけを比較すると判断が早くなります。
Q
上場企業のSNSマーケティング会社に依頼するメリットは何ですか?
A
体制の安定性と、決算情報が公開されているため経営の安定性を自分で確認できる点です。一方で分業制になりやすく、改善のスピードや現場との距離感を重視する場合は、中小規模の専門会社が適することもあります。
Q
SNS運用は外注と内製化のどちらが良いですか?
A
短期の立ち上げは外注、長期の資産化は内製化が向いています。立ち上げを外注しながら並行して社内育成を進める併用型が、現実的で成果につながりやすい選択肢です。
Q
SNSマーケティング会社に依頼して失敗するのはどんなときですか?
A
投稿代行だけを依頼し、戦略設計と導線設計が空白のまま進むときです。投稿数が増えても問い合わせにはつながりません。契約前に「何をもって成果とするか」を合意しておくことが有効です。
Q
AI活用に対応したSNSマーケティング会社はどう見極めますか?
A
生成AIを使えるかどうかではなく、戦略設計・投稿制作・分析改善のどの工程にAIを組み込み、どこを人が担うのかを説明できるかで見極めます。SNSマーケティングとAI活用の両方を扱える会社はまだ多くありません。

10. まとめ

SNSマーケティング会社を選ぶときは、会社名の知名度ではなく支援範囲・費用の妥当性・自社にノウハウが残るかの3点で判断してください。そして依頼を決める前に、外注と内製化のどちらが自社に合っているかを一度検討することをおすすめします。

SNSは、広告のように出稿を止めれば消えるものではありません。育てれば24時間365日働く営業マンになります。その資産を社外に置くのか、社内に築くのか。そこが最初の分岐点です。

著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

株式会社PR NET 代表取締役。SNS×AI領域に特化した研修・セミナー・コンサルティングを提供。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。大手企業から公的機関まで延べ15,000名以上にSNSとAI活用の研修を実施している。「SNSは24時間365日働く営業マン」という思想のもと、広告費に頼らないSNS集客の体系化を専門とする。

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