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📘 この記事の位置づけ

この記事は「広報担当者が自分の手でできる手順」をまとめた実務編です。専門知識がなくても進められる範囲に絞り、危険な作業とそうでない作業を分けて解説します。

📎 AI導入の全体像は → 中小企業のAI導入は「見つけられ方」から始める
📎 実際に何が見つかったかは → 自社サイトのLLMO対策で見つかった5つの誤り

公開日:2026年7月27日
最終更新日:2026年7月27日

LLMO対策のやり方6手順|広報担当者が自分でできる範囲とできない範囲【2026年版】

執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

LLMO対策の作業は「読む作業」と「直す作業」に分かれ、前半のほとんどは広報担当者が自分で進められます。ページのソースを読む、robots.txtを開く、出典をたどる。いずれも設定を変更しないため、サイトが壊れる心配がありません。

一方、サーバー設定とセキュリティ関連の変更は専門家に任せてください。この線引きを最初に決めておくことが、安全に進めるうえで最も重要です。

📖 この記事でわかること
  • 自分でやっていい作業と、専門家に任せる作業の線引き
  • robots.txtの読み方と、見落としやすい落とし穴
  • 構造化データの中身を、専門知識なしで確認する方法
  • llms.txtをどう扱うべきか(効果が未証明である現状も含めて)
  • よくある失敗と、その避け方

1. 始める前の2つの約束

手順に入る前に、必ず守っていただきたいことが2つあります。

  1. 何かを変更する前に、必ずバックアップを取る。表示が消えるリスクは、AI対策の効果より重い損失です
  2. セキュリティ設定とサーバー設定は自己判断で触らない。当社もこの領域は専門家に依頼しています

以下の手順1から3は「読むだけ」なので、サイトに一切影響しません。まずここから始めてください。

2. 手順1:robots.txtを読む(所要5分・読むだけ)

ブラウザのアドレス欄に、自社サイトのURLに続けて /robots.txt と入力して開きます。テキストが表示されれば、それが現在の設定です。

見るべきは、AI関連のクローラー名(GPTBot、ClaudeBot、PerplexityBot、Google-Extendedなど)が Disallow で禁止されていないかどうかです。禁止されていれば、AIはそのページを読みません。

ここで、見落とされがちな仕様を1つお伝えします。クローラー名を個別に指定したグループは、全体向けの設定(User-agent: *)のルールを引き継ぎません。個別グループを追加したつもりが、全体向けに書いていた除外設定がそのクローラーには適用されなくなる、ということが起こります。

3. 手順2:サーバー側の遮断設定を確認する(所要5分・確認のみ)

ここが最大の落とし穴です。robots.txtで全許可にしていても、サーバー側で遮断していれば意味がありません。robots.txtは「読んでいいですよ」というお願いにすぎず、サーバーが門前払いすればそこで終わりです。

レンタルサーバーによっては、AIクローラーの遮断機能が管理画面に用意されています。エックスサーバーの場合、2026年1月からサーバーパネルに「AIクローラー遮断設定」が追加されました。初期状態はオフですが、セキュリティ強化の文脈で誰かがオンにしている可能性があります。

この機能自体は正しいものです。AIに情報を使われたくない企業にとっては必要な設定です。ただ、AIに見つけてもらいたいのであれば、この設定と目的が正面から矛盾します。アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態になります。

4. 手順3:構造化データを読む(所要30分・読むだけ)

構造化データとは、ページの裏側に埋め込まれた、機械向けの自己紹介文です。会社名、著者名、経歴、FAQの内容などが書かれています。画面には表示されません。

確認手順は次のとおりです。

  1. Step 1:確認したいページをブラウザで開き、ページのソースを表示する(右クリックのメニューから選べます)
  2. Step 2:ページ内検索で「json」と入力し、該当箇所を探す
  3. Step 3:見つかったブロックの中身を、日本語として読む

プログラムの知識は要りません。「ここに書かれている内容は事実か」を判断できるのは、社内の人だけです。それが、この作業を外注しなくてよい理由でもあります。

特に注意して見ていただきたいのは、経歴・所属・資格に関する記述です。当社は、登壇した大学が出身校として読み取られる書き方になっていた例を経験しました。詳細は点検の実録記事にまとめています。

5. 手順4:会社の輪郭をテキストで書く

ここから、直す作業に入ります。

トップページを開いて、次の3点がテキストで書かれているか確認してください。画像やデザインの中にしかない場合、AIからは輪郭が見えません。

  • 何をしている会社か:業種名だけでなく、提供している内容まで
  • 誰の役に立つのか:対象となる企業規模・業種・立場
  • どこにあるのか:所在地

1文で構いません。「当社は、◯◯に対して△△を提供する、□□にある会社です」という形が最も伝わります。装飾された見出し画像より、この1行のほうが効きます。

6. 手順5:出典と更新日を整える

記事内で使っている数字の出典を、1つずつたどってください。公的機関や調査会社の発表に行き着けば問題ありません。個人ブログや記事で止まるものは、削除するか、一次資料に差し替えます。

あわせて、公開日と更新日の両方を表示する設定にしてください。この分野は変化が速く、いつ書かれた情報かが分からない記事は、引用される側から見て扱いにくいためです。

7. 手順6:llms.txtをどう扱うか

llms.txtは、AIに向けてサイトの要点と主要ページを案内するファイルです。2024年に提唱された仕様で、WordPressであればプラグインで生成できます。

ただし、ここは正確にお伝えします。2026年7月時点で、llms.txtの効果は証明されていません。公的な標準規格ではなく、コミュニティ主導の提案段階にあります。主要なAI事業者が「読んでいる」と公式にアナウンスした事実も、当社が確認した範囲では見つかりませんでした。

この点について、Web上の解説記事は真っ二つに割れています。「主要各社が公式に対応済み」と断言する記事も複数ありますが、その根拠が示されているものは見当たりませんでした。出典をたどれない主張は、数字であれ対応状況であれ、扱いは同じです。

当社の判断は「設置する。ただし効果は期待しない」です。作成コストが低く、害がなく、将来標準化された場合に備えられるためです。これを最優先の対策として時間を割くことは、おすすめしません。手順1から5のほうが先です。

8. よくある失敗

失敗 避け方
robots.txtだけ直して終わりにする サーバー側の設定も必ず確認する(手順2)
バックアップを取らずに一括置換する 置換は取り消せない。作業前に必ず保存する
文章の書き換えが必要な語まで置換する 意味が変わる語は手作業に切り替える
注意書きを本文にだけ書く 単独で切り出される場所にも同じ条件を書く
セキュリティ設定を自分で変更する 原因の特定までにとどめ、変更は専門家に依頼する

9. 続けるための工夫

一度整えて終わりにすると、半年で情報が古くなります。次の2点を決めておくと、担当者が変わっても回ります。

  • 見直しの時期を決める:半年に1回、手順1から3の確認だけでも実施する
  • 数字の置き場所を1か所にまとめる:同じ数字を各所に直書きすると、更新のたびに食い違いが生まれます

よくある質問(FAQ)

Q
全部やるのにどのくらいかかりますか?
A
手順1から3の確認だけなら1時間程度です。手順5の出典の確認は、記事数によって変わります。まずは確認だけを済ませ、直す作業は分けて進めることをおすすめします。
Q
robots.txtが見つかりません。設置していないと問題ですか?
A
ファイルがない場合、原則としてすべて許可された状態になります。急いで作る必要はありません。ただし、開こうとしてエラーが表示される場合は別です。取得できない状態は、全面禁止と解釈されることがあります。
Q
llms.txtは設置したほうがいいですか?
A
設置しても害はありませんが、2026年7月時点で効果は証明されていません。優先順位としては、手順1から5を先に済ませてからで十分です。効果を断言する説明には根拠を確認してください。
Q
制作会社に依頼する場合、何を伝えればいいですか?
A
手順1から3で確認した内容をそのまま伝えてください。「robots.txtの現状」「サーバー側の遮断設定の状態」「構造化データで事実と異なる箇所」の3点が揃っていれば、依頼内容として十分です。
Q
すべて正しく設定すれば、AIに引用されますか?
A
保証はできません。当社自身、三層すべてを確認して問題がない状態でも、外部のAIツールから読み込めない事象が続いています。整えることには意味がありますが、整えれば必ず届くとは言えないのが現状です。

まとめ

6つの手順のうち、前半3つは読むだけで、サイトに影響しません。まず現状を知ることから始めてください。直すかどうかの判断は、そのあとで構いません。

そして、書かれている内容が事実かどうかを判断できるのは社内の人だけです。この一点において、外注では代わりが利きません。

著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

株式会社PR NET 代表取締役。SNS×AI領域に特化した研修・セミナー・コンサルティングを提供。ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など、大手企業から公的機関まで延べ15,000名以上にSNSとAI活用の研修を実施。「SNSは24時間365日働く営業マン」という思想のもと、広告費に頼らないSNS集客の体系化を専門とする。

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