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公開日:2026年6月5日
最終更新日:2026年6月5日

AI性格診断、結局どれを選べばいい? 16タイプ・エニアグラム・ビッグファイブを正しく使い分ける方法

執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ14,800名にSNS・AI研修を実施)

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

ChatGPTで人気のAI性格診断は、多くが「既存の診断理論」とChatGPTの「言語化する力」を掛け合わせたものです。定番の3つ(16タイプ/MBTI系・エニアグラム・ビッグファイブ)は、見ている角度がそれぞれ違います。

この記事では、考案者への敬意を込めて違いと選び方を整理し、ChatGPTで深掘りするためのオリジナルプロンプトと、楽しむときの注意点までお伝えします。

📖 この記事でわかること
  • 定番3診断(16タイプ・エニアグラム・ビッグファイブ)の考案者と歴史
  • 3つの診断はどう違うのか、どれを選べばいいのか
  • ChatGPTで深掘りするオリジナルプロンプトと、安全に楽しむ注意点

結論:AI性格診断は「診断理論」と「AIの言語化力」の掛け合わせ

最近、SNSで「ChatGPTの性格診断が当たりすぎる」という声をよく見かけます。

実は、その多くは新しく生まれた診断ではありません。

もともと心理学やカウンセリングの世界で使われてきた「診断理論」を土台にして、そこにChatGPTの「言語化する力」を掛け合わせたものなのです。

だからこそ、楽しむ前に知っておきたいことがあります。

それは「その診断を最初に考えた人がいる」ということ。

土台を正しく理解しておくと、結果に振り回されず、自分のために上手に使えるようになります。

この記事では、定番の3つの診断を「考案者」「向いていること」「ChatGPTでの深掘り方」まで、丁寧に整理していきますね。

まず知っておきたい、3つの定番診断と考案者

AI性格診断の土台になっているのは、主にこの3つです。

それぞれに、敬意を払いたい考案者や歴史があります。

MBTI(16タイプ)── マイヤーズとブリッグスが原型

16タイプ診断のおおもとが、MBTIです。

考案したのは、キャサリン・クック・ブリッグスと、その娘イザベル・ブリッグス・マイヤーズの母娘でした。スイスの精神科医カール・ユングが1921年に著した『心理学的類型』に着想を得て、第二次世界大戦中に原型をつくったといわれています。

専門の心理学者ではなく、「人の個性を理解しやすく整理したい」という思いから生まれたものなのです。

16Personalitiesは「MBTI公式」とは別物

ここで、ひとつ大切な注意点があります。

SNSで「MBTI診断」として広まっている無料テストの多くは、16Personalitiesというサービスです。これは、MBTI公式とは運営も中身も別物なのです。

16Personalitiesを運営しているのはNERIS Analytics社。マイヤーズとブリッグスの理論を土台にしつつ、独自の用語を使い、ストレスへの反応を示す5文字目を加えた、再構成版です。

記事や投稿で紹介するときは、「MBTI風」「16タイプ診断」と表現するほうが、誤解が少なくて誠実だと思います。

エニアグラム── イチャーソとナランホ

エニアグラムは、人の根本的な動機や恐れ、行動のパターンを9つのタイプで理解する診断です。

図形そのものの起源は古く諸説ありますが、「性格類型」として体系化されたのは比較的最近のことです。1960年代後半、アリカ・スクールを創始したオスカー・イチャーソが、9つのタイプをエニアグラムの図に配置したのが出発点とされています。

その後、医師のクラウディオ・ナランホら、米カリフォルニア州バークレーの心理学者たちが、近代心理学とエニアグラムを統合しました。ナランホ自身は講演で、イチャーソを「父」、自身を「母」と呼んでいたと伝えられています。

ビッグファイブ── 単独の考案者がいない、合意モデル

ビッグファイブ(OCEAN)は、心理学でもっとも信頼されている性格特性モデルです。

ほかの2つと違い、「最初に考えたひとり」は存在しません。約1世紀にわたる累積研究から生まれた、心理学界の合意モデルなのです。

ごく簡単に流れを追うと、1936年にオールポートとオドバートが言葉から性格を捉える基礎を築き、1961年にテュペスとクリスタルが5つの因子を見いだし、1980年代にゴールドバーグが「ビッグファイブ」という言葉を広め、1985年にコスタとマクレーがNEO-PIという測定法を開発しました。

OCEANとは、5つの要素の頭文字です。

  • 開放性(Openness)
  • 誠実性(Conscientiousness)
  • 外向性(Extraversion)
  • 協調性(Agreeableness)
  • 神経症傾向(Neuroticism)

「個人ではなく、研究者たちの積み重ねが生んだモデル」と覚えておくと正確です。

比較表:3つの診断はどう違う?

「結局どれを選べばいいの?」という問いに、いちばん大切なのがこの違いです。

診断 見えるもの 向いている人 注意点
16タイプ(MBTI系) 思考や行動の傾向を16タイプで分類 自分の型をざっくり知りたい人 16Personalitiesは公式MBTIとは別物
エニアグラム 「なぜそうしてしまうのか」という内側の動機 同じ悩みを繰り返す理由を知りたい人 タイプの断定より理解の入口として
ビッグファイブ 5つの要素を強弱(グラデーション)で測定 自分を白黒で分けたくない人 仕事適性などの科学的指標として活用されている

ざっくり言うと、こうです。

16タイプは「どんな型か」。

エニアグラムは「なぜそうするのか」。

ビッグファイブは「どのくらいの強さか」。

同じ「性格診断」でも、見ている角度がまったく違うのです。

ChatGPTでの深掘りの仕方(オリジナルプロンプト)

ここからは、PR NETオリジナルのプロンプトをご紹介します。

ポイントは、ChatGPTに「役割」を与えること。

たとえば「キャリアコンサルタント」という役割を渡すだけで、返ってくる言葉の質がぐっと変わります。

あなたはキャリアコンサルタント兼、心理学の専門家です。
私の16タイプ性格診断の結果は【ここにタイプを入力(例:INFP)】です。
この結果をもとに、以下の3つを具体的に教えてください。1. 私の強みと、つまずきやすいポイント
2. 私に向いている、隠れた適職を3つ
3. 仕事でストレスをためないための工夫専門用語はかみくだき、私の言葉で実行できる形でお願いします。

すでにChatGPTを日常的に使っている方は、診断結果がなくても深掘りできます。

これまでの私とあなたのやり取りをもとに、
私の思考のクセ、強み、つまずきやすいポイントを言語化してください。
診断結果ではなく、私の言葉や相談内容から読み取れることを教えてください。

このプロンプトが面白いのは、チェック式の一般論ではなく、「自分が普段使っている言葉」から分析してくれるところにあります。

私自身が試してみて感じた、AI診断の良さと限界

私自身も、これらの診断を一通り試してみました。

正直にお伝えすると、驚いた点と、物足りなかった点の両方があります。

まず良かったのは、ChatGPTでの深掘りです。

16タイプの結果を貼り付けて深掘りしたとき、「外からラベルを貼る」のではなく「内側から言葉をすくいあげてくれる」ような感覚がありました。これまでの相談内容を踏まえて返してくれるので、たしかに精度が高いのです。

一方で、限界も感じました。

ChatGPTは心理士でも医師でもありません。会話の履歴が少ない状態では、当たり前の一般論しか返ってこないこともあります。「当たっている」と感じる部分も、よく読むと「誰にでも当てはまる言葉」だったりするのです。

だからこそ、私はこう考えています。

AI診断は「自分を決めつけるもの」ではなく、「自分を見つめるきっかけ」。

結果そのものより、「私はこの結果を見てどう感じたか」のほうが、ずっと大切なのです。

楽しむときの3つの注意点

最後に、安心して楽しむための注意点を3つお伝えします。

  1. 結果を「決めつけ」にしない:タイプはあくまで入口です。「私はこのタイプだから」と自分を縛るためではなく、理解を深めるために使いましょう。
  2. 入力する情報に気をつける:本名、住所、生年月日、健康状態、顧客情報などは、安易に入力しないこと。ChatGPTでは設定からデータ利用を制御したり、一時チャットを使ったりできます。
  3. 元ネタへの敬意を忘れない:どの診断にも、考案した人や積み重ねてきた研究者がいます。「公式」と「公式風」を区別して紹介すること。これは発信する側のマナーだと思っています。

よくある質問(FAQ)

Q
ChatGPTの性格診断は当たるのですか?
A
会話の履歴が多いほど、精度は高く感じられます。ただし、ChatGPTは心理の専門家ではありません。「当たる占い」ではなく「自己理解のきっかけ」として受け止めるのが安全です。
Q
MBTIと16Personalitiesは同じものですか?
A
厳密には別物です。MBTIの公式運営はThe Myers-Briggs Companyで、SNSで広まっている無料の16Personalitiesは、NERIS Analytics社が独自に再構成したサービスです。紹介するときは「16タイプ診断」「MBTI風」と表現するのが誤解が少ないです。
Q
3つのうち、まずどれを試せばいいですか?
A
「自分の型をざっくり知りたい」なら16タイプ、「同じ悩みを繰り返す理由を知りたい」ならエニアグラム、「白黒で分けず強弱で見たい」ならビッグファイブがおすすめです。
Q
仕事や適職に使うならどれが向いていますか?
A
科学的な信頼性が高いとされるのはビッグファイブです。グラデーションで性格を見るため、仕事適性やチーム内の役割を考えるときに使いやすいモデルです。
Q
診断結果をSNSに載せても大丈夫ですか?
A
タイプ名や感想の共有は問題ありません。ただし、入力した個人情報が結果に含まれていないか確認してから投稿しましょう。顔写真を使う診断の結果を載せるときは、特に慎重に。

まとめ

ChatGPTを使ったAI性格診断は、楽しくて、自己理解にも役立つものです。

でも、その背景には、診断を最初に考えた人や、長く積み重ねてきた研究があります。

16タイプはマイヤーズとブリッグス。

エニアグラムはイチャーソとナランホ。

ビッグファイブは、たくさんの研究者の合意。

土台を正しく知って、敬意を持って使う。

そして、AIを「自分を決めつけるもの」ではなく、「自分を見つめるきっかけ」として使う。

それが、これからのAI時代にふさわしい、健やかな付き合い方だと思います🕊️

著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

株式会社PR NET 代表取締役。SNS×AI領域に特化した研修・コンサルティングを提供。ダイハツ工業・ロート製薬・POLA・楽天大学・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など、大手企業から公的機関まで延べ14,800名以上にSNSとAI活用の研修を実施。「SNSは24時間365日働く営業マン」という思想のもと、広告費に頼らないSNS集客の体系化を専門とする。

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