BLOG

ブログ

公開日:2023年7月11日
最終更新日:2026年9月1日

執筆:上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役|大手企業・公的機関で延べ15,000名以上にSNS研修を実施)

💡 結論サマリー(30秒でわかる本記事の答え)

ソーシャルメディアとは、利用者自身が情報を発信し、その積み重ねで内容が形づくられていくメディアの総称です。SNS・動画共有サービス・ブログ・ナレッジコミュニティの4種類に分けられ、それぞれ利用者層も投稿形式も異なります。

企業が選ぶときの基準は3つです。自社の顧客が実際にそこにいるか/自社が続けられる形式か/その先に導線があるか。複数を同時に始めると、どれも止まります。

なお、企業としてSNS運用を始めるべきかどうかの判断は 企業がSNS運用するメリット・デメリット で解説しています。

📖 この記事でわかること
  • ソーシャルメディアの定義と、SNSとの違い
  • ソーシャルメディアの4つの種類と、それぞれの特徴
  • 年代別・性別で見たサービスごとの利用率(2025年12月調査)
  • ソーシャルメディアのメリット4つ・デメリット4つ
  • 企業がメディアを選ぶときの3つの判断基準

ソーシャルメディアとは、ブログ・SNS・動画共有サービスなど、利用者自身が情報を発信し、その積み重ねで内容が形づくられていくインターネット上のメディアの総称です。ソーシャルメディアの特徴は、新聞やテレビのように発信者が限られたマスメディアとは異なり、誰もが発信者になれる点にあります。

この記事では、定義と種類ごとの違い、総務省の最新調査で見る利用実態、そしてメリットとデメリットを整理します。自社でどのメディアを使うべきか迷っている企業のご担当者に向けて、選ぶための判断基準までお伝えします。

1. ソーシャルメディアとは

1-1. ソーシャルメディアの定義

ソーシャルメディアとは、利用者が自ら情報を発信し、その発信の積み重ねによって内容が形づくられていくインターネット上のメディアのことです。

総務省は通信利用動向調査において、ソーシャルメディアをブログ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、動画共有サイトなど、利用者が情報を発信して形成していくメディアとして整理しています(出典:総務省「平成30年版 情報通信白書」)。

つまりソーシャルメディアは、特定のサービス名を指す言葉ではなく、発信の主体が利用者側にあるメディアの総称です。

1-2. ソーシャルメディアとSNSの違い

混同されやすい2語ですが、両者は包含関係にあります。ソーシャルメディアが上位の総称で、SNSはその中の一分類です。SNSは「Social Networking Service」の略で、利用者同士がつながり、交流することを主な目的としたサービスを指します。

たとえばYouTubeは動画共有サービスであり、ソーシャルメディアには含まれますが、厳密にはSNSとは呼びません。noteやAmebaブログも同様です。日常会話では「SNS」が総称として使われることが多いものの、企業として運用方針を立てるときは、この違いを押さえておくと媒体選定の議論がぶれません。

1-3. マスメディアとの決定的な違い

新聞やテレビといったマスメディアは、発信者が明確に限られており、情報が一方向に流れます。対してソーシャルメディアは、誰もが発信者になれるため、情報が多方向に拡散します。

この構造の違いが、後述するメリットとデメリットの両方を生み出しています。拡散力があるということは、良い情報も悪い情報も等しく広がるということだからです。

2. ソーシャルメディアの種類と特徴を比較

ソーシャルメディアの種類を表すアイコンのイメージ

現在主流のソーシャルメディアは、大きく4種類に分けられます。それぞれ利用者層も投稿の形式も異なるため、目的に合わせた選定が欠かせません。

2-1. 4分類の比較表

種類 主なサービス 特徴 中心となる年代
SNS LINE、Instagram、X、Facebook 利用者同士の交流が目的。拡散力が高い 10代〜60代(サービスにより大きく異なる)
動画共有サービス YouTube、TikTok、ニコニコ動画 動画を投稿・共有し、意見交換ができる 10代〜50代
ブログ・記事 Amebaブログ、note、はてなブログ まとまった分量の情報を発信・蓄積できる 20代〜50代
ナレッジ・口コミ Yahoo!知恵袋、5ちゃんねる、レビューサイト 不特定多数が知識や評価を出し合う 10代〜60代

2-2. SNS(交流を目的とするサービス)

利用者同士のつながりを前提としたサービスです。拡散力が強く社会的な影響も大きいため、使い方を誤ると損害につながる一方、正しく運用すれば認知度の向上やファンの獲得が期待できます。

  • LINE:連絡インフラとして全世代に浸透。企業は公式アカウントで既存顧客との接点をつくる
  • Instagram(インスタグラム):写真・動画が中心。世界観の表現に向き、検索・保存の入口としても機能する
  • X(旧Twitter):短文とリアルタイム性。速報や話題化に強い
  • Facebook:実名制。ビジネス層・中高年層との接点をつくりやすい
  • Threads:Instagram連携の短文サービス。既存フォロワーを引き継いで始められる
  • Bluesky:分散型の短文サービス。Xの代替として国内でも利用が広がっている
  • mixi2:2024年12月に登場した国内発の短文サービス

新しいサービスは選択肢としては魅力的ですが、利用者数の規模はLINE・Instagram・Xとは桁が異なります。企業アカウントとして本腰を入れるかどうかは、自社の顧客が実際にそこにいるかで判断してください。

2-3. 動画共有サービス

利用者が制作した動画を投稿・共有するサービスです。企業活動では、商品・サービスの紹介、採用広報、社内の情報共有などに活用できます。

  • YouTube:長尺・短尺の両方に対応。検索されて後から見つかる資産になりやすい
  • TikTok:縦型ショート動画。10代〜20代への到達力が突出している
  • ニコニコ動画:コメントが動画上に流れる独自の文化を持つ

2-4. ブログ・記事プラットフォーム

情報発信を目的としたサービスです。企業が利用する場合は、商品やサービスの紹介、お知らせの告知に使われるケースが多くなります。

SNSの投稿が流れて消えていくのに対し、ブログ記事は検索から継続的に読まれるという違いがあります。短期の話題化はSNS、中長期の集客はブログ、という役割分担が基本です。主なサービスは、Amebaブログ、note、はてなブログ、livedoor Blogなどです。

2-5. ナレッジコミュニティ・口コミサイト

不特定多数が集まって知識や評価を共有するサービスです。Yahoo!知恵袋、5ちゃんねる、各種レビューサイトなどが該当します。企業にとってここは発信の場ではなく、観測の場です。自社や競合がどう語られているかを把握する用途で使うのが現実的です。

3. データで見るソーシャルメディアの利用実態

以下は、総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(令和8年6月公表)によるものです。全国の13歳〜79歳の男女1,800人を対象に、2025年12月に実施された調査です(出典:総務省・調査報告書(概要))。

3-1. サービス別の利用率

サービス 全年代の利用率
LINE 92.9%
YouTube 81.5%
Instagram 54.8%
X(旧Twitter) 44.7%
TikTok 36.7%
Facebook 27.0%
ニコニコ動画 12.1%

LINEはすでに連絡インフラの水準に達しています。注目すべきはInstagramがXを10ポイント以上上回っている点と、TikTokがFacebookを超えた点です。数年前の感覚のまま媒体を選ぶと、実態とずれます。

3-2. 年代・性別による違い

同じサービスでも、年代によって届き方はまったく違います。

サービス 最も高い年代 最も低い年代
Instagram 20代 82.6% 70代 15.8%
X(旧Twitter) 20代 73.4% 70代 10.8%
TikTok 10代 67.9% 70代 11.1%
Facebook 40代 38.9% 10代 14.3%
LINE 30代 97.9% 70代 77.8%(それでも高水準)

性別による差も無視できません。Instagramは男性46.2%に対して女性63.4%、TikTokは男性31.8%に対して女性41.7%と、いずれも女性の利用率が上回ります。女性向けの商品・サービスを扱う企業がInstagramを選ぶのは、感覚ではなくデータ上の合理性があります。

反対に、Facebookは10代でわずか14.3%です。若年層向けの採用広報をFacebookで行っても、そもそも相手がいません。

3-3. 利用時間はテレビを超えた

平日のインターネット利用時間は183.9分で、テレビ(リアルタイム)視聴の156.1分を上回っています。その差は年々広がっています。

ソーシャルメディアの利用時間(休日)を年代別に見ると、20代が114.6分、10代が86.8分と突出しており、全年代平均の45.4分を大きく上回ります。若年層にとってソーシャルメディアは、すでに1日の可処分時間の中心にあります。

4. ソーシャルメディアのメリット

スマートフォンでソーシャルメディアを活用するイメージ

ソーシャルメディアは、コツさえ掴めば自社でブランディングができ、コストも最低限で済みます。ここでは4つのメリットを紹介します。

4-1. 手軽に情報発信ができる

難しい手続きや資格は必要なく、思い立ったときにすぐ始められます。企業の規模による初期投資の差が出にくい領域です。ただし、手軽に始められることと、成果が出ることは別です。発信する以上、信頼性のある情報を出す責任が伴います。

4-2. コストをかけずにブランディングできる

一般的にPRを行う場合、テレビ・雑誌・新聞・街頭広告への出稿やイベント開催が必要になり、莫大な資金がかかります。ソーシャルメディアであれば、広告費をかけずに認知度の向上や他社との差別化を図れます。

弊社が「広告費をコストカットして理想のお客様が集まるSNSづくり」を掲げているのは、この構造的な優位性があるからです。

4-3. 顧客の生の声を収集できる

不特定多数がさまざまな情報を発信しているため、情報収集にも適しています。SNS・口コミサイト・レビューを確認すれば、自社商品やサービスがどう受け止められているかを知ることができます。アンケートでは出てこない本音が、ソーシャルメディア上には残っています。

4-4. 顧客との関係を継続的に築ける

とくにSNSは交流を目的としているため、一度きりの接触で終わらせず、関係を積み上げていけます。広告が「その瞬間だけ届くもの」であるのに対し、ソーシャルメディアのアカウントは24時間365日働き続ける営業マンとして機能します。

5. ソーシャルメディアのデメリット

ソーシャルメディアのリスクを検討するイメージ

拡散力が強いということは、リスクも同じだけ大きいということです。デメリットを知らずに運用を始めると、思わぬ損害につながります。ここでは4つを紹介します。

5-1. 炎上のリスクがある

社会秩序に反する投稿や、特定の思想を含む投稿は炎上しやすくなります。ソーシャルメディアを活用する際は、炎上を避けるマネジメントが不可欠です。さらに重要なのは、万が一炎上した場合の対処方法を、あらかじめ決めておくことです。起きてから考えると、初動が必ず遅れます。

5-2. 情報漏洩のリスクがある

写真から所在地が特定されることがあります。発表前の社内情報や社外秘の情報が流出すれば、大きな損害になります。投稿前の内容確認を、担当者一人の判断に委ねない仕組みが必要です。

5-3. 誹謗中傷が起きる可能性がある

不特定多数が発信できる以上、批判的な書き込みを完全に防ぐことはできません。誹謗中傷を受けた場合は、感情的に反応せず毅然とした態度で対応します。

5-4. 知識やスキルが必要

これが最も見落とされやすいデメリットです。アカウントの開設自体は無料で数分ですが、成果を出すには専門的な知識と、継続する運用体制が要ります。

「無料だから」という理由だけで始めたアカウントが、数か月で更新されなくなる例を、研修の現場で数え切れないほど見てきました。始めるコストが低いことと、続けるコストが低いことは、まったく別の話です。

6. 企業がソーシャルメディアを選ぶ3つの判断基準

弊社はこれまでに延べ15,000名以上の方へ、SNSに関する研修・講演を実施してきました。その中で最も多い失敗が、全部やろうとして全部止まるというパターンです。

「とりあえずInstagramもXもTikTokもYouTubeも」と4媒体を同時に開設し、3か月後にはどれも更新が止まっている。担当者が疲弊し、社内では「SNSは効果がない」という結論だけが残る。これが最も避けたい着地です。そうならないために、次の3つで絞り込んでください。

  1. 自社の顧客が、実際にそこにいるか:前掲の年代別データと照らし合わせます。60代以上が主要顧客ならTikTokに人員を割く合理性は薄く、10代向けならFacebookは選択肢に入りません。感覚ではなくデータで決めます
  2. 自社が続けられる形式か:写真素材が社内にないのにInstagramを選ぶ、話せる人がいないのに動画を選ぶ、といったミスマッチが挫折の主因です。すでに社内にある資産で回せる媒体から始めてください
  3. その先に導線があるか:フォロワーが増えた後、問い合わせや購入にどうつなげるのかを、開設前に決めておきます。導線のないアカウントは、数字が伸びても売上に接続しません

まずは1媒体に絞り、成果が出る形をつくってから広げる。遠回りに見えて、これが最短です。

7. ソーシャルメディアを運用するときの注意点

企業として運用する場合、担当者個人の判断に委ねず、組織としてのルールを持つことが前提になります。

  • 情報の真偽を確かめる:真偽不明の情報を鵜呑みにして発信すると、炎上や訴訟に発展する可能性があります
  • 法律やルールを守る:一度投稿した内容はネット上に残り続けます。著作権・薬機法・景品表示法など、業種に応じた法規制の確認が必要です
  • 他者の権利を尊重する:性別や年代によるバイアスを助長する発信は避けます。画像・動画の投稿時は肖像権にも配慮します
  • 発信の責任を持つ:担当者が交代しても運用品質が落ちないよう、ガイドラインを文書化しておきます

近年はここに、生成AIで作成した文章や画像をそのまま投稿しないという論点が加わりました。AIの出力には事実と異なる内容が混ざることがあり、確認を経ずに発信すれば、責任は発信した企業側にあります。AIは下書きまで、最終判断は人間が行う。この線引きを社内で共有してください。

8. よくある質問(FAQ)

Q
ソーシャルメディアとSNSは何が違いますか?
A
ソーシャルメディアが総称で、SNSはその一分類です。SNSは利用者同士の交流を主な目的としたサービスを指し、ソーシャルメディアには動画共有サービスやブログも含まれます。
Q
企業はどのソーシャルメディアから始めるべきですか?
A
自社の顧客層の利用率が高く、かつ社内にある資産(写真、文章、話せる人材)で継続できる媒体を1つ選んでください。複数同時に始めると、更新が止まるリスクが高まります。
Q
中小企業でもソーシャルメディアで成果は出せますか?
A
出せます。ソーシャルメディアは広告費の多寡ではなく、発信の設計で差がつく領域です。企業規模による初期投資の差が出にくいことが、中小企業にとっての最大の利点です。
Q
炎上が心配です。それでも運用したほうがよいですか?
A
炎上リスクは、事前のガイドライン整備と投稿前のダブルチェックで大きく下げられます。一方で、発信しないことによる「見つけてもらえない」という機会損失も確実に発生しています。リスクを避けるのではなく、管理する前提で始めることをおすすめします。
Q
社内に運用できる人材がいない場合はどうすればよいですか?
A
外部への運用代行という選択肢もありますが、自社の言葉で発信できる体制を社内に持つほうが、中長期では成果が安定します。研修によって内製化を目指す方法もご検討ください。

9. まとめ

ソーシャルメディアは、SNS・動画共有サービス・ブログ・ナレッジコミュニティの4種類に分けられ、それぞれ利用者層も投稿形式も異なります。総務省の最新調査を見ても、同じ「SNS」という言葉の中で、年代や性別による利用率の差は大きく開いています。

だからこそ、自社の顧客がいる場所を、感覚ではなくデータで見きわめることが出発点になります。そのうえで、続けられる形式を選び、その先の導線まで設計する。1媒体からで構いません。積み上げたアカウントは、広告費に頼らずに働き続ける資産になります。

著者プロフィール|上村菜穂(株式会社PR NET 代表取締役)

株式会社PR NET 代表取締役。SNS×AI領域に特化した研修・セミナー・コンサルティングを提供。これまでの登壇・研修先は、ダイハツ工業・東芝テック・ロート製薬・POLA・楽天大学(楽天グループ)・東京大学・東京都中小企業振興公社・各地商工会議所など。大手企業から公的機関まで延べ15,000名以上にSNSとAI活用の研修を実施している。「SNSは24時間365日働く営業マン」という思想のもと、広告費に頼らないSNS集客の体系化を専門とする。

🎯 自社で回せるSNS運用体制を、社内につくりませんか

株式会社PR NETでは、SNSの選び方から運用設計、生成AIを活用した発信の効率化までを一貫してお伝えする企業向け研修をご用意しています。「どの媒体を選ぶべきか」の段階からご相談いただけます。

▶ SNS×AI研修の内容を見る
▶ 無料で相談する

🔗 あわせて読みたい関連記事

関連記事一覧

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。